モモ達（たち）は、夏休みに入ってから毎日のように海で泳い（およ　）でいますがお盆（　ぼん）を過ぎる（す　　）頃（ころ）になるとクラゲがでてくるのでおしまいにしなくてはいけません。
　なんにも知らない頃（ころ）は海岸（かいがん）に打ち上げ（う　あ　）られたくらげが透明（とうめい）でぷよぷよしているので手に乗せ（の　）て遊ん（あそ　）だことのあるモモです。以前（いぜん）お兄ちゃんがクラゲに刺さ（さ　）れてえらい目にあってから、お盆（　ぼん）を過ぎる（す　　）とどんなに暑く（あつ　）ても海で泳が（およ　）ないことに決め（き　）ました。
　
　この頃（ころ）になると浜（はま）っ子達（たち）は肌（はだ）が真っ黒（ま　くろ）に焼け（や　）て目だけがキラキラとしています。
お墓参り（はかまい　）に行くと暗い（くら　）夜道で誰（だれ）だかわからないといったこともあるのです。
道ですれ違っ（　　ちが　）ていつもと違う（ちが　）格好（かっこう）なんかしているとほんとにわからないこともあるんです。

　賑やか（にぎ　　）な夏休みもお盆（　ぼん）を過ぎる（す　　）と静か（しず　）でのんびりとした町に戻り（もど　）ます。
海岸（かいがん）近くの海の家もそろそろ後片付け（あとかたづ　）に入り、たくさん吊るし（つ　　）てあった色とりどりのうき輪（わ）も下ろされて後は来年までしっかり雨戸を締め（し　）られます。
　遊び（あそ　）すぎて宿題（しゅくだい）をずいぶん残し（のこ　）てしまっている子達（たち）はがんばって追い上げ（お　あ　）です。
唯一（ゆいいつ）得意（とくい）な絵日記は毎日欠かさ（か　　）ず付け（つ　）ているので安心（あんしん）なのですがモモは苦手（にがて）な理科の宿題（しゅくだい）帳（ちょう）がいっぱい残っ（のこ　）ていていつもお父さんとお兄ちゃんに手伝っ（てつだ　）てもらいます。
　モモの家では、得意（とくい）なものはしっかりやって、苦手（にがて）なものは適当（てきとう）に仕上げる（しあ　　）ってことになっているのです。

　モモは絵日記の他（ほか）に大きな画用紙に海水浴（かいすいよく）の絵を描き（えが　）ました。
近所（きんじょ）の仲良し（なかよ　）４人組は毎年、大きな飛び込み台（と　こ　だい）まで競争（きょうそう）しているのですが、モモはまだうき輪（わ）を離す（はな　）ことができません。
来年はテコのように、うき輪（わ）なしで大きな飛び込み台（と　こ　だい）まで泳ぐ（およ　）つもりでいます。

　泳げ（およ　）なくて泣き（な　）出すか、それとも４人が並ん（なら　）でうき輪（わ）なしで泳ぐ（およ　）ことができるのか・・・・
いずれにしても、また来年も賑やか（にぎ　　）な夏になることはまちがいないのですけどね。

おわり。