niwatomo8
空気が雨に洗われて、すっきりときれいな風が吹くと虫達がいっせいに飛び立ちました。
テルも後から葉っぱの先まで行くと、せーので飛びあがります。
いつもより高く上がると、見たことのない風景が見えてきます。
見下ろす葉っぱや花達は、雨のしずくを丸くしてキラキラと輝いています。
庭にできた水たまりにテルが映りました。「うわっ、ボクだ!」
テルは水たまりの上をぐるりと回りました。
「テル~!」
後ろから声がします、トンボのパラリです。
「見ていて~。」
そう言うと、パラリはピューンと急降下、水面ぎりぎりでまたビューンと上にあがってきました。
「すごいすごい、飛行機みたいだ!」
あっという間にパラリの姿が見えなくなりました。
テルが水たまりの周りを飛んだり、地面に降りたりしていると、ダンゴムシのカツがやってきました。
「雨で臭いがとれたかな?ここは花もあるし、やっぱりいいな。」
なんだか元気を取り戻したようです。
「他のみんなは?」
テルが聞きました。
「みんなは草むらで満足してるみたいだ、それに花壇は虫にとって危険がいっぱいだからな。」
カツがこたえました。
「君は恐くないの?」
「ダンゴムシの中にはオレみたいなのもいるってことさ。」とカツは胸をはりました。